アルテミスにて、「フレックスタイム制」を運用するための設定方法をご紹介します。
「フレックスタイム制」には、法定労働時間の総枠の設定が2種類ありますので、会社に適した方法を選択して設定してください。
目次
| アルテミスのフレックス制について
・フレックス制の対象となる労働者の範囲
勤務体系設定で、フレックス制の「勤務体系」を割り当てた従業員が対象になります。
・清算期間
「1か月」の清算期間 (2か月・3か月は非対応。今後対応を予定しています。)
| 1か月の法定労働時間の総枠の設定
フレックスタイム制を導⼊した場合には、清算期間における実際の労働時間のうち、清算期間における法定労働時間の総枠を超えた時間数が時間外労働(法定外労働時間)となります。
「法定労働時間の総枠」は2種類の運用方法があります。それぞれご説明します。
【運用1】1か月単位の法定労働時間の総枠を設定する
アルテミスでフレックス制を導入する時、初期設定では、こちらの設定になっています。
アルテミスで会社の実態にあわせて時間を入力してください。
設定は、メニュー マスタ設定[基本]→会社情報画面で行います。会社情報画面の説明
(1)…「無し」を指定します。※初期設定は「無し」です。
(2)…暦日数ごとの総枠を入力します。
初期設定で週40時間の場合の法定労働時間の総枠が入力されています。
法定労働時間の総枠は、以下の計算式で求めます。
1か月を清算期間とした場合、法定労働時間の総枠は以下のとおりとなるため、
アルテミスに設定する総労働時間はこの範囲内としなければなりません。
留意事項
- 有給休暇を取得した場合、その時間が総労働時間から控除されます。
(例)労働時間の総枠が177:06の場合
1日の有給休暇を取得…総枠は169:06になる。(1日=8時間)
時間単位年休を3時間取得…総枠は170:06になる。
半休を取得…総枠は173:06になる。(半休=4時間) - コアタイム・フレキシブルタイムを設定したことによる集計値への影響はありません。
【運用2】完全週休二日制のフレックスタイム制を利用する
| 完全週休2日制のフレックス制についての説明
完全週休2⽇制の事業場でフレックスタイム制を導⼊した場合には、1⽇8時間相当の労働であっても、曜⽇の巡りによって、清算期間における総労働時間が、(1)の法定労働時間の総枠を超えてしまう場合があります。
画像出展:厚生労働省「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き」
この場合、労使が書面で協定(労使協定)することによって、「清算期間内の所定労働⽇数×8時間」を労働時間の限度とすることが可能です。
こちらの労働時間を限度とする場合、
マスタ設定[基本]→会社情報画面で、
「完全週休二日制におけるフレックスタイムの適用有無」を「有り」に設定してください。会社情報画面の説明
総労働時間の総枠は、1か月単位に「労働日数× 8時間」で計算されます。
- 「1か月単位の法定労働時間の総枠」の時間は使われません。
- 法定休日に労働した時間は、総労働時間に含まれません。
(例)
暦日数31日の内、出勤日20日+欠勤日1日=労働日数21日の場合、
法定労働時間の総枠は、21日 × 8時間=168時間 となります。
この168時間を元に、
- 超えた時間が、「法定外労働時間」(割増賃金の対象)
- 不足している時間が、「不足時間」(控除の対象)
として計上されます。(出勤簿を確定(承認)時に、最終集計がされます)
所属する事業所が特例措置対象事業場の場合、
週の法定労働時間は40時間ではなく44時間になります。
→ 上の例の場合、4週間分の16時間が総労働時間に追加されて、184時間となります。
注意事項
- 有給休暇を取得した場合、その時間が総労働時間から控除されます。(1日=8時間)
上記の例で、有給休暇を1日取得した場合、総労働時間は160時間です。 - コアタイム・フレキシブルタイムを設定したことによる集計値への影響はありません。
※労働日数について
従業員のダッシュボードのカレンダーから、労働日数が判断されます。
(=出勤簿に表示される事由です)
ダッシュボードのカレンダーは、事業所の年間カレンダーを元に作成されていますが、
ダッシュボードのカレンダーを編集している場合、ダッシュボードのカレンダーが優先されます。
個人カレンダーの編集権限がついていない場合には内容を変更することができません。
変更したい場合は会社の管理者にご相談ください。
| 出勤簿の違い(通常勤務との比較)
通常勤務の従業員の出勤簿
- 赤枠内の項目は、フレックス制の場合ありません。
始業終業時間:就業時間が存在しないため表示されません。
遅刻/早退:就業時間が存在しないため表示されません。
フレックス制の従業員の出勤簿
- 赤枠の項目は、フレックス制の場合のみ表示されます。
不足時間:法定休日以外の労働時間が法定労働時間の総枠に満たない場合、不足時間が計上されます。
★1か月の「法定労働時間の総数(労働すべき時間)」は、労働時間が0時間時点の不足時間で確認できます。
【完全週休二日制のフレックス制の場合】
【暦日数で法定労働時間の総数が決まる場合】 - 緑枠の「法定外労働時間」も、通常勤務と計上される方法が異なります。
フレックス制の場合、1日8時間、週40時間といった法定労働時間の枠がありません。
そのため、1日の労働時間が8時間を超えたとしても法定外労働にはなりません。
・法定休日に労働した場合は計上されます。
- 月の集計(上段)の「法定外労働時間」には、次の時間が計上されます。
・法定労働時間の総枠を超えて労働した時間(労働時間 ー 法定労働時間の総枠)
・法定休日に労働した時間
| フレックス制の利用方法【設定方法】
アルテミスでは、「勤務体系」の割当でフレックス制を適用します。
勤務体系の登録方法、勤務体系を従業員に割り当てる方法の順にご説明します。
・勤務体系の登録
メニュー マスタ設定[勤怠] > 勤務体系を開きます。
「新規に追加します」をクリックすると、勤務体系の登録画面が開きます。
・画面全体の説明:勤務体系詳細画面の使い方
勤務の種類で「フレックス制」を選択します。
他の項目を入力し、「登録」をクリックしたら勤務体系の登録は完了です。
・勤務体系の割当
登録した勤務体系を、フレックス制の対象にする従業員に割り当てましょう。
勤務体系を割り当てる2つの方法をご説明いたします。
- 新しく登録する従業員に割り当てる場合
1. マスタ設定[基本]>従業員画面で、「新規に追加します」をクリックします。
🔗従業員画面の使い方
2. 勤務体系タブで「割当」「デフォルトの勤務体系」にフレックス制の勤務体系を指定します。
3. 従業員登録確認タブで「登録」をクリックして登録完了です。
- 既存の従業員に割り当てる場合
1. 勤怠 > 勤務体系割当画面を開きます。(※従業員画面で割当ることもできます)
2. 「検索」をクリックすると、従業員が表示されます。
3. フレックス制の対象にする従業員の「割当」をクリックします。
4. 「割当」にチェックを入れて「デフォルトの勤務体系」をクリックします。
最後に「更新」をクリックしたら、フレックス制の対象にする設定は完了です。
注意事項
- 既に勤怠管理を行っている場合、作成された出勤簿の翌月からフレックス制が対象になります。
- 当月から対象にしたい場合は、対象月の出勤簿を削除して再作成してください。
- フレックス制の対象従業員は、別の勤務体系を割り当てたとしてもデフォルトのフレックス勤務体系のみ利用できます。
| 給与計算の設定
基本的には、通常勤務の給与項目と共通ですが、
「不足時間分」を給与から控除する必要があるため、その給与項目を作成します。
- 残業計算、法定休日分の給与計算は、通常勤務と同様です。
🔗残業手当の計算式
🔗休日手当(法定休日)の計算式
フレックス制:給与明細レイアウト(例)
給与項目は、メニュー マスタ設定[給与/賞与] > 給与項目画面から作成します。
給与項目の計算式
・不足時間の減額
[単価]*[集計期間の不足時間(給与控除が必要な時間)]
-
[単価]は以下の計算式で計算しています。(基礎賃金)
(給与タブの固定項目[基本給]の合計) ÷ (一年間の出勤日数 / 12か月) ÷ 所属している事業所の所定労働時間
※一年間の出勤日数 = 365日 ー 年間カレンダーの休日日数
・フレックス制の給与明細書作成画面には、このように表示されます。
・フレックス制の給与明細
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